「最新のiOSは不具合が出やすいので、しばらくiPhoneをアップデートしないほうがいい」というのも、1つの真実です。
では、何らかの理由でiPhoneをアップデートできない・しない場合はどうなのでしょう。
iPhoneをアップデートできない・しない場合のデメリット
- 最新のiOSがカバーしてくれる不具合(バグ)・セキュリティ対策が遅れる
- 最新のiOSなら使える機能・アプリから取り残される
わかりやすいデメリットのほか、本体・バッテリーの経年劣化が重なるとさらに不具合が出る可能性も。
この記事では、iPhone(iOS)をアップデートできない・しないとどうなるかを詳しく解説します。
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目次
iPhoneのiOSをアップデートしないとどうなる?
iPhoneをより安心・便利に使うために、iPhoneを動かすためのシステム(iOS)を最新にする(アップデートする)必要があります。
ですが最新のiOSにアップデートしてしまったため、逆にアプリ側に不具合が出るケースももちろんあります。
【iOS16へのアップデートについて 1/3】
先日配信されました「iOS 16」につきまして、問題なく動作することを確認しました。
ただしiOS16にて新しく追加された「3本指での操作時に画面上部にメニューバーが出る」機能について、#ショバフェス pic.twitter.com/5Hxdv6zvJk— 『SHOW BY ROCK!! Fes A Live』公式 (@SB69F) September 14, 2022
iOS16アップデートで3本指タップにメニューバー表示が割り当てられた結果、音ゲーで3本指タップするとゲームに支障が出る、と非難が殺到したのは記憶に新しいところ。
ただ、基本的に最新のiOSにアップデートしないと、iPhoneにとってはデメリットのほうが多いです。
iOSの最新機能を使えなくなる
iOSアップデートの大きなメリットが、新機能の追加。アップデートをおこなわないと、もちろん使えません。
2023年12月22日時点のiOS最新バージョンは「iOS17.2.1」です。この数字の見方は、
- iOSの整数部分が更新されるアップデート
…多数の機能追加 - iOSの小数点以下が更新されるアップデート
…不具合修正やセキュリティ対策
2023年秋にリリースされた「iOS17」では
- コミュニケーションアプリの大幅なアップデート
- AirDropでのより簡単な共有
- より賢いテキスト入力・ジャーナル(Appleでも内容にアクセスできない日記機能)
- スタンバイ(iPhoneを充電時に横向きにするだけで各種情報を表示する機能)による新しい体験
などが追加されました。iOSを更新しなければ、これらが使えないことになります。
セキュリティが万全でなくなる
iOSアップデートには、セキュリティを万全に保つための対策が含まれます。
例えば2023年4月7日にリリースされたセキュリティアップデート「iOS 16.4.1」は、iPhone 8以降・iPad Pro (すべてのモデル)・iPad Air (第3世代) 以降・iPad (第5世代) 以降・iPad mini (第5世代) 以降に対応する既知の脆弱性の改善です。
既知の脆弱性とは、iPhoneの脆弱性を悪用された可能性があるという報告があったもの。アップデートをおこなわないと、被害にあう危険性を放置したままになってしまいます。
iOS17のアップデート対象外の機種も。長く使い続けるのは困難
2023年秋に予定されているiOS17へのアップデートでは、対象外となるiPhoneの機種も発表されています。
対象外の機種は
iOSアップデートを「意図的にしない」のではなく「できない」状態に。
高性能で故障が少ないiPhoneとは言え、iOSアップデート対象外になるほどの年数を使っていると、本体の劣化も合わせて長く使うことが難しくなっていきます。
iPhoneをアップデートできないとどうなる?考えうるデメリット
「iPhoneをアップデートできないとどうなるの?」という疑問に、考えうるデメリットは3つ。
- セキュリティ面の不安
- 最新機能が使えなくなる
- 最新のアプリが使えない
その他、2023年にiPhone 8/ 8 Plus / X がiOSアップデート対象外になったようにApple側で「そもそもできない」というケースでは、長く使った本体の劣化による不具合も予想されます。
それぞれ解説していきますね。
1.セキュリティ面の不安
iOSのアップデートには「セキュリティ対策・脆弱性の改善」が含まれるため、アップデートできないと当然、iPhoneにセキュリティ面の不安が出てきます。
ですがiOSのバージョンアップデート(iOS16からiOS17のように、整数が更新される大型アップデート)は、機種の販売開始から5~6年で対象外に。
そのかわり「セキュリティアップデート」という脆弱性の改善だけに関わる緊急アップデートは、iPhone 6以下向けとして2023年1月にiOS 12.5.7が提供されたように、かなりの長期間に渡り提供されることもあります。
ただし、iOS 12.5.7の提供は2022年8月以来で、かなり期間が空いてから最新iOS対象外の機種にも提供された珍しいケース。セキュリティアップデートは、いつまで提供されるか不透明です。
2.最新機能が使えなくなる
iOSのアップデートは「新機能の追加・既存機能に追加」が含まれています。アップデートしないと当然、使えるはずの新機能が使えないまま。
iOS17の新機能では 、例えば
- iPhoneを充電中に、横画面にすると時計や写真などを表示できる「スタンバイ」機能
- 設定した目的地に到着すると、家族などの設定した連絡先に自動的に通知する「チェックイン」機能
- 相手が留守番電話にメッセージを残している時に、リアルタイムで文字起こし・iPhoneに表示する「ライブ留守番電話」機能
など便利な機能の他、さまざまな新機能が追加されます。
iOSのアップデートで、さらに便利に使えるiPhone。アップデートできないのはもったいないですよね。
3.最新のアプリが使えない
古いiOSのバージョンでは使えないアプリが増える理由は、iOSがアップデートされると、開発側もApp Storeに提出するアプリのバージョンを上げる必要があるからです。
現時点では2023年4月以降、最低限でもXcode 14.1というApple指定の開発環境(最新版のXcode 15はiOS 12~17に対応)・iOS16.1で動作するようにしないとApp Storeに提出できなくなっている状況です。
その際、何世代前までのiOSに対応するか(Xcode14.1での下限はiOS11まで設定可能)は開発側が決めることができますが、現実的には3世代前くらいが動作確認の限界でしょう。
このような流れで、iOSのバージョンが上がるたびに数世代前のiOSでは使えないアプリが増えていきます。
古いiPhoneは経年劣化によるデメリットも
iOSを更新しても、そもそも古いiPhoneでは経年劣化によるデメリットが心配です。
- 動作のもたつき(操作の反応が悪い)
- バッテリーの劣化で減りが早くなる
- 発熱が酷くなる
など…本体側に問題があると、不具合改善やバグ・脆弱性の修正といったiOSアップデートをするメリットが薄くなってしまいます。
端末自体が古いと、iOSアップデートできないデメリット以外にも、快適に使えない状態が多くなるでしょう。
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iPhoneをアップデートする前にやる事は?
iPhoneをアップデートする必要性をご紹介してきました。ここからは、iPhoneアップデート作業前にしておくことをご紹介します。
- iOSアップデート作業時間を確保する
- iPhoneのバックアップを取る
- iPhoneのバッテリー残量を確認する
- iPhoneのストレージ容量を確保する
- ネットワークが途切れないよう、Wi-Fi環境を確認しておく
それぞれ、解説していきますね。
iPhoneアップデートは時間に余裕があるときに実施しよう
iPhoneアップデートの際にインストール・調整中は、iPhoneを使えません。
ポイント!
iPhoneを使わなくても大丈夫な時間を確保してから、アップデートをおこないましょう。
iPhoneアップデートは、数十分から数時間かかります。
- 最新のiOSアップデートデータをダウンロードする時間
- 最新のiOSアップデートデータをインストールする時間
- インストール済みのアプリを最新のOSに調整
このようにiPhoneアップデートには3段階で時間が必要です。
それまでの最新のiOSバージョンまでアップデートしている状態では、ダウンロード・インストールともに、それほど時間がかかりません。
ですがiOSアップデートを長く放置していた状態から一気にバージョンを上げるようなケースでは、差分(最新版との違い)が大きいため、かなり時間がかかってしまいます。
バックアップを取っておく
iPhoneアップデートに失敗し、起動しなくなったときのためにバックアップを取っておくことも重要。
iOSアップデートは「iPhoneを動かすためのシステム」の更新ですので、途中で失敗してしまうとiPhoneが起動しなくなることも。
復元するには初期化する必要があるため、運よく起動してもバックアップデータがなければ困ってしまいます。
ポイント!
念のため必要なID・パスワードを確認するのと、バックアップを取っておくのをおすすめします。
バッテリー残量を確認しておく
iOSアップデートの途中でバッテリー切れを起こして更新に失敗しないように、バッテリー残量を確認しておきましょう。
※iOSのバージョンによっては…
「ソフトウェア・アップデートにはバッテリー残量が50%以上であるか、電源に接続されていることが必要です。」というメッセージが表示され、そもそもアップデートの画面に進めないこともあります。
またiOSをアップデートすると、iPhoneの内部ではデータの最適化・バッテリーの再調整・アプリの修正など、多くの処理をおこないます。そのため、アップデート後はバッテリーが驚くほど早く減ることに。
ポイント!
1~2日で安定するので、少なくともiOSアップデートの間・直後は充電しながら様子をみてください。
ストレージ容量を確保しておく
iOSアップデートのダウンロードファイルは、数GBの大きなデータファイルです。ストレージ容量に余裕がないと、iOSアップデートができない状態ですので注意しましょう。
ソフトウェア・アップデートの画面で「〇.〇GB」と表示されているだけの容量が空いていても、インストールする際に一時的なファイルを作成するため、そのぶんの余裕も空いている必要があります。
不要なデータを削除してストレージ容量に余裕を作る意味でも、「iPhoneアップデート前のバックアップ」は重要です。
ポイント!
どうしても「ストレージ容量に余裕がなくてiPhoneアップデートができない…」という人は、パソコンにつないでiTunesというアプリからiPhoneアップデートをする方法もあります。
充電しつつ一時ファイルの作成をパソコン側で負担できるので、試してみてください。
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ネットワークが途切れないようWi-Fiなど確認しておく
前述のように、iPhoneアップデートはiOSの更新データをダウンロードすることから始まるため、ネットワーク環境には注意・確認しておきましょう。
Apple側のダウンロード先が混雑しているケースは仕方ありませんが、契約しているインターネット回線が混雑していたり、通信状態が悪く途切れ途切れになったりする環境では、かなり時間がかかってしまいます。
ポイント!
自宅のWi-Fi環境を使ってiPhoneアップデートをする人は、「ルーターのそばで接続が途切れないように」・「充電しながら」という2点を押さえておくといいでしょう。
手持ちのiPhoneがアップデート対象外になってしまったら?
iPhoneアップデートをできない理由が「iOSのアップデート対象外の機種」という人は、どうすればいいのかを解説します。
- iOSアップデート対象外になる機種
- iOSアップデート対象外になった場合のデメリット
- セキュリティアップデート対象のうちに買い替えを検討
iPhoneを長く使っていると、いつかは訪れてしまう状況です。予習のつもりで、参考にしてください。
2023年のiOS17対応機種は?
以下は、2023年6月5日付けApple公式ニュースリリースからの引用です。
提供開始について
iOS 17のデベロッパ向けベータ版は、本日より、developer.apple.com/jpを通じてApple Developer Programのメンバーに提供されます。パブリックベータ版は来月中にbeta.apple.comで提供されます。新しいソフトウェア機能は、無料のソフトウェアアップデートとして、この秋、iPhone Xs以降を対象に利用可能になります。
引用:Appleプレスリリース|iOS 17でiPhoneがよりパーソナルで直感的に
「iPhone Xs以降を対象」ですので、2017年発売に開始されたiPhone 8・iPhone 8 Plus・iPhone XがiOS17のサポート対象外になったということ。
言い換えれば、iPhone XR・iPhone Xs・iPhone Xs Maxユーザーは、次の大型アップデート(iOS18)でiOSアップデート対象外になる可能性が高いということです。
対象外となった場合、上記のデメリットが当てはまる可能性が高まる
次回のiOSアップデートで対象外になる可能性が高いiPhone XR・iPhone Xs・iPhone Xs Maxユーザーの人は、先にご紹介したデメリットが当てはまる人もいるでしょう。
- セキュリティ面の不安:
脆弱性への早急な修正・改善が期待できなくなる - 最新機能が使えなくなる:
時代や世代に応じた便利機能から取り残される - 最新のアプリが使えない:
アプリ提供側の旧iOS対応保守に期待するしかない
これらのデメリットが影響しやすいネットショッピングやヘルスケア関連でiPhoneを便利に使っている人には、かなり悩ましいところではないでしょうか。
セキュリティアップデートがあるうちに買い替え検討を
セキュリティアップデートで緊急性の高いものは、iOSアップデート対象外の機種も提供される事があります。
ただ、市販セキュリティ対策アプリの有名どころは最新のiOSから2世代前くらいが対応打ち切りのライン。
対応している最新のiOSまでアップデートしておくことはもちろん、セキュリティアップデート対応されている内に、自分に必要な機能を再確認して『買い替え候補を探す手掛かり』にすることをおすすめします。
操作性・値段やスペックといった比較の前に、「どうしても外せないポイント」を決めておくと買い替え候補を決めるのに役立ちますよ。
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